彩の移ろい 01


時間を忘れてふらりふらり色彩の海のなかを漂流するのが一番心地良い…
絵のもつ空間性・時間性・想像力の重層的な拡がりは感動的です。

カンディンスキー展 Ⅰ
以前から観たかった「青騎士」時代の版画、テンペラ技法、具象から抽象への移行期の「ムルナウの風景画」シリーズ、インプレッション(印象)シリーズ、 インプロビゼーション(即興)シリーズ、ロシア革命時のボルシェビキの圧政の中で よくこんな美しく自由な絵がかけるなと思うような「森の絵シリーズ」・・・ 最後はコンポジション(構成)シリーズで、やはりこれはもう、余計なものをそぎ落とされた色・線・面などの要素だけで構成されたひとつの世界・宇宙ともいえるように圧巻でした。

しかし個人的な趣味からいえば、コンポジションシリーズは「抽象化」 > 「論理化」 されすぎて、意味・論理を観るものに強制してくるところがあって、堅苦しさを感じるときがありますが、なぜかそれでも好きです。

やはり、一番好きなのは、感動したのは、「ムルナウの風景画」シリーズ、インプレッション(印象)シリーズの時期の、具象から抽象への移行期の絵にみられる自由な色彩の組み合わせ・ハーモニーです。 そのまま絵の中に入って色彩の海のなかで泳げるんじゃないかと思えるぐらいです。実物を見てさらに好きになりました。

 

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