風信 #04
だまつて今日の草鞋穿く (山頭火)
from 2004 note
●開廷時間25:00
お灸の先生がいうには
疲れを感じない人達に、
お灸をして体をだるくさせるんだって!
働けてしまう人、 頑張ってしまう人は
体が鈍感なんだって!
最後はちゃうと計算があうんだって!
というより、 その人のこころが
からだを拘束しているんだと思う。
その人個人のこころに、
どこか不幸があるんだと思う。
立ちどまったときに見える自分が
いやなんだと思う。
からだを鈍感にしておかないと
自分とむきあう時間が長くて
つらいんだと思う…
自分自身とお互いに
向き合える場所が
現実のなかにも、こころの中にも
確保されてないんだと思う
もう自分自身と法廷で
裁判をするしかないんだろう。
死角の隅に隠れている自分を召喚して
いくら時間がかかっても…
●笑っちまえ !
いちぎょうにもみたないことばで
ぼくのせかいはかいたいした
きのうときょうのあいだになにがあるんだろう
えがおとなきがおのあいだになにがあるんだろう
ヒトとヒトのあいだになにがあるんだろう
ぼくはせかいをよみちがえていたんだ
おもいがどこにもとどかない
そこしかほんとうにいたい場所は無いのに
その場所はもう無いんだ
笑っちまえ、世界なんてこんなもん…
ニンゲンなんてこんなもん…
1日ぐらいで解体できる世界は
1日ぐらいで設計図も引けるはず
パーツが、またすこしだけ欠損・欠落したかも…
フン、見晴らしはずっとよくなったゾ
Hello World
Hello Myself
つぎはぎだらけだけど…
世界なんてこんなもん…
ニンゲンなんてこんなもん…
笑っちまえ !
●異次元コンサート
深夜、ふと目が覚めた
さまざまな機械のインジケータが
赤や黄やグリーンの色で点滅している
まるで個々のいのちが自分の想いで
輝いているようにようだ
そのバックにはうっすらと
ハイビスカスの赤や黄の花、ブーゲンビレヤが
浮かび上がってとても幻想的
真夜中、僕の部屋でこんなハーモニーが
奏でられてるとは思わなかった
うっとりとその空間に取り込まれてしまった
機械は電気エネルギーをくって活動する生命体
無機的生命体、有機的生命体
この複数の異種の生命体からなる生命圏
いまこの空間は生きている
こいつらは俺以上に生活してると
寝ぼけ頭でそう思った
あっ、パソコンのデフラグソフトをかけたまま寝っちゃったらしい…
●ちっちゃいとき
遠くの山の頂上のシルエットが
象がならんでいるように見えた
あの山の向こう側は
インドに続いてるんだと思った
ちっちゃいとき
雲のかたちがエベレストの
山のかたちに似ていた
天気がいい日には日本からでも
ヒマラヤ山脈が見えるんだと思った
ちっちゃいとき
タンポポの種子をみて
ちっちゃな星々が集まっている
宇宙だと思った
だからあちこちに飛んで
空へもどるんだと思った
タンポポの家は空のうえなんだ
てんでかってに空を舞ってても
空のうえには待ってくれてる
帰れる家があっていいなと思った